グルーヴ感という難しいものを考察してみる

ドラム付録

音楽をやっていると、頻繁に耳にする「グルーヴ」という言葉。

ちなみにビートにグルーヴというニュアンスをつける事で、リズムが生まれます。

グルーヴって何でしょう。

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グルーヴとは

グルーヴって広義でいうと「ビートの感じ方」です。日本でいう「ノリ」と同じです。

ただグルーヴの本来の意味は、単純に「縦ノリ」とか「横ノリ」というわけではなく、

グルーヴというのには「黒人特有のリズムの感じ方」というのが加わっています。

 

これはグルーヴっていう言葉が、そもそもブラックミュージック系の

独特のリズムの感じ方に対して表現する言葉として生まれたからです。

でも今はポピュラー音楽を全般にして、良いノリで演奏する人や、

バンド全体に対しての褒め言葉として使っています。

 

グルーヴ感というのはリズム感と同じで、誰もが持っているものですが、

「黒人特有のリズムのノリ」は黒人さんにしか出せません。

ビートの感じ方

「グルーヴ=ノリ」で話を進めていきます。

グルーヴとはビートをどのように感じているかという事ですが、

あるビートを聴いた時に「自然に身体がどのように動くか」です。

つまり「ビートに対してどのような揺れで感じているか」です。

 

「うんうん」とうなずくような取り方だと「縦ノリ」となり、

身体が左右に動くような取り方だと「横ノリ」となります。

このビートの感じ方は、たとえ同じ曲を聴いていても一人一人違います。

 

つまり十人十色なので正解というのはなく、自由に感じれば良いのですが、

曲を聴かせる立場である演奏者の場合は、音楽の様々な「ノリの違い」を

習得しておく必要があるのです。

「縦ノリ」と「横ノリ」

縦ノリと横ノリを4/4拍子で説明する前に、「拍の表と裏」について先に解説します。

通常「1、2、3、4」というのは表拍です。そして裏拍というのは「1」、

英語だと「ワン・エン・ツー・エン・スリー・エン・フォー・エン」というように、

数字の後にくる「」や「エンド」の部分が裏拍です。

 

これらを踏まえた上で「縦ノリ」と「横ノリ」を簡潔に説明すると、

縦ノリは「1、2、3、4」という表拍を意識したビートの感じ方であり、

拍子感やテンポ感を明確に感じられるという特徴があります。

 

横ノリは「1」と、いわゆる裏拍を強く意識したビートの感じ方です。

横ノリも拍子感やテンポ感もあるのですが、裏拍の意識が強いため、

腰でビートを感じるような、少しハネているような少し重たいようなイメージです。

日本人は縦ノリ民族

ライブで曲に合わせて身体を動かしている場合でも、

カラオケでノリノリで歌っている場合でも日本人はとにかく縦ノリです。

ファンクやR&B、ソウルを演奏している、あるいは踊っている日本人も縦ノリです。

 

なぜ日本人は縦ノリなのかというと、それは古くから日本文化が縦ノリだからです。

つまり「縦ノリ民族日本人」だからです。

 

一番わかりやすい例が言葉です。日本語は全て表拍から入ります。

でも横ノリ文化の国である英語には、先頭にアクセントがくる単語はあまり多くなく、

ほとんどは2つ目の部分にアクセントがきます。

これは表拍ではなく裏拍に意識があり、常にシンコペーションしているからです。

だから田中さんを「タナカ」ではなく「タナーカ」と「ナ」を強調しますよね。

 

日本人は縦ノリが染みついているので、縦ノリの方が拍子もテンポ感も掴みやすく、

音楽に身体を合わせやすいのです。

「前ノリ」と「後ノリ」

ノリの話でこれまたよく出るのが、「前ノリ」と「後ノリ」です。

「前ノリ」「後ノリ」は無いと言う人もいますが、たぶんこの表現の仕方が

良くないのではないかと思います。

 

「前ノリ・後ノリ」も基本は「縦ノリ・横ノリ」と同じで、

表拍を意識しているか、裏拍を意識しているかだと思います。

ただ拍と拍との間をどう感じるかで、動作にも影響が出てきます。

 

前ノリは裏拍は意識せず次の拍頭を主に意識しているので、これに動作が加わると

クリックに合わせてジャストを狙っていても、自然にやや突込み気味になっていきます。

逆に後ノリは主に裏拍を意識しているので、拍頭から次の拍頭までに

裏を感じる動作が自然に加わるため、少し後ろ気味になるのです。

 

★実際に動作で体感してみる

実際にクリックに合わせて、机を交互に手で叩いてみます。

表拍に意識していると直線的な手の動きとなり、上げる速度より下りる速度の方が速く、

裏拍を意識していると円を描くような手の動きとなり、上がる速度の方が下りる速度より速く、

尚且つ手が上がったところで裏拍を感じているはずです。

前ノリと後ノリは2拍目と4拍目がポイント

多くのポピュラー音楽の4/4拍子の曲は、ドラムのスネアで2拍目と4拍目に

アクセントが入るのが多いのですが、2拍目4拍目にアクセントを入れる事で、

ドラマーはノリを出しやすくなり、その人の持つ「前ノリ感」や「後ノリ感」が表れます。

 

プロドラマーは曲のノリを理解した上で、このアクセントの位置を、

意図的にコントロールする事ができます。

「前ノリ・後ノリ」と「縦ノリ・横ノリ」は同じ事?

ここまで来ると、何となくお気づきかもしれませんが、

「前ノリ・後ノリ」と「縦ノリ・横ノリ」は似ています。

と言いますか、「前ノリは縦ノリと同じ」であり「後ノリは横ノリと同じ

なんじゃないかという事です。

 

確かにどちらも表拍を意識しているか、裏拍を意識しているかという点では同じです。

でもきっと厳密には違うんじゃないかなぁと思います(-_-;)

だって縦ノリでも裏拍を意識している場合もあるので・・・。

 

「縦ノリ・横ノリ」はビートに対しての「ゆらぎ方」であって、

「前ノリ・後ノリ」はビートに対しての「進み方」なのかな・・・

 

私の知識ではここまでが限界です・・。

 

ただノリとは、頭や理屈で割り切れるものでもなく、

あくまで人間の「感受性」による要素がとても強いので、

大まかな概念さえ頭に入っていれば良いかな~と思っています。

グルーヴを構成する要素

ノリは人それぞれの感受性による要素が強いわけですが、

技術面でグルーヴを構成できる要素もあります。

 

それはリズムやテンポ、シンコペーション、アーティキュレーションなどが挙げられ、

これらを自分の持つ感受性と合わせて一つにしていきます。

ただグルーヴはドラマーだけが作るのではなく、演奏者同士がお互いにその場で、

バンドとしての「ノリ」を作り出してい蜘蛛のです。

グルーヴ感を向上させるためには

よく「グルーヴ感が良い」というのは、裏拍をいかに感じているか

という意味合いで言われます。黒人さん達はこの裏拍を感じるのがとても優れています。

持って生まれた才能という事もありますが、古くからの文化や風習等を通して、

独自のリズムを培ってきているので、縁のない日本人には特に難しいと言われています。

 

しかし到底黒人さん達には叶わなくとも・・・・、

黒人さん達の演奏するファンクやソウル、R&B、ジャズ、レゲエ、アフリカの民族音楽等を

とにかく聴きまくりマネしまくる事で、多少なりとも吸収は出来るはずです。

 

ドラマーにとって最も大切なのは、どれだけシンプルなリズムであっても、

聴いた人の身体が思わず動き出してしまうような、心地のよいリズムを作り出す事です。

黒人さん達のようなグルーヴを作り出せないにしても、

心地よいリズムを聴かせるという意識は常に持っておくべきですね。

 

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