本日は、ドラムで演奏する「サンバ」や「ボサ・ノバ」のリズムパターンを紹介します。
「ラテン音楽のイメージは?」と聞くと、多くの人達は「サンバ」や「ボサ・ノバ」を
思い浮かべると思いますが、ラテン音楽では大きく2つのジャンルに分けられており、
その2つは「アフロキューバン音楽」と「ブラジル音楽」です。
そして「サンバ」や「ボサ・ノバ」はブラジル音楽になります。
アフロキューバン音楽に関しては「アフロキューバン音楽におけるクラーベを考察」や、
「アフロキューバンリズムをドラムセットで演奏しよう!」をご参照ください。
サンバ(Samba)のリズム
ブラジリアン・リズムのルーツは、ヨーロッパの音楽文化や先住民族インディオの音楽文化、
アフリカ系のリズム(アフロキューバン)の3つの要素が基盤となっています。
ですから16分音符と解されがちなサンバのリズムも、アフロの6/8系リズムや、
ヨーロッパ系の4/4系のリズムの両方を兼ね備えているため、
アフロキューバンと同様に、独特のリズムの「なまり」があるのです。
サンバの基本リズム
サンバの基本リズムはスルド、パンデイロ、アゴゴ、ガンザ、レコレコ、タンボリンなど、
複数のパーカッションで構成されています。
ドラムセットでのサンバのリズムパターン
ドラムセットでサンバのリズムを演奏する時には、複数のパーカッションの
ポイントを抑えたリズムパターンとなります。
特に「サンバ・キック」といわれるバスドラの奏法が
スルドの役割を果たす基本パターンであることが多く、
シェイカーやパンデイロのリズムを、ハイハットやライドシンバルとスネア、
ウゴゴをライドシンバルのカップで代用していきます。
リズムのノリは16分系のフィールですが、ストレートな16分フィールではなく、
サンバ特有の「なまり」を加わえていきます。
※4/4拍子で16分音符表記にしてあります。
上記以外にもロールを交えたパターンなど、サンバには様々なリズムパターンがあります。
ボサ・ノバ(Bossa Nova)のリズム
ボサ・ノバは、1950年代のジャズやアメリカ・ポップスの影響を色濃く受けた、
ブラジルのミュージシャン「カルロス・ジョビン」や「ジョアン・ジルベルト」
などによって作られたジャンル(リズム)です。
ボサ・ノバは、アメリカのクール・ジャズとブラジルのサンバの融合という形式なので、
複数のパーカッションで構成されてはおらず、ドラムセットでのリズムが基本となっています。
ボサ・ノバのリズムパターン
ボサ・ノバの基本リズムパターンでは、サンバのような「なまり」はあまり加わらず、
ストレートな演奏をしていきますが、そのかわりリム・ショットを用いて、
クラーベ的なリズムをキープしていきます。
「サンバ」や「ボサノバ」の演奏のポイント
ブラジル音楽の「サンバ」や「ボサノバ」は、ポップスやロックなどでも演奏されており、
一般的にも耳馴染でもあるためリズムが取りやすく、アフロキューバン音楽よりも、
演奏しやすいのではないかと思います。
サンバのリズムパターンでは、バスドラの「サンバキック」が一つの課題となります。
「ドッチドドッチド・・・」という、右足のスライド奏法による動作と、
裏に入るハイハットは、ある程度練習をしないとキレイに演奏する事ができません。
しかし必ずしもサンバを演奏する場合、「サンバキックでなければいけない」
というわけではありません。実際、バスドラを4分打ちにしてフロアタムを
2拍・4拍で入れるリズムパターンもあるので、ベースとの兼ね合いにもよりますが、
完成度が低く無理をしてリズムが乱れるくらいなら、4分打ちの方が良いと思います。
ドラムセットでサンバを演奏する場合、多くはストレートの16フィールで
演奏される事が多いですが、サンバ特有の「なまり」を掴んでおくと、
演奏の雰囲気もガラッと変わるので、周囲から「ちやほや」されるかもしれません(笑)
ボサノバの演奏は静かなスタイルが多いので、耳障りで目立つような叩き方は厳禁です。
またブラシでの演奏も多いので、ブラシ奏法を練習しておくと良いと思います。
コメント