カホンという楽器は「Cajon」と書いてカホンと読み、スペイン語で「箱」って意味だそうです。
ペルーが発祥の打楽器らしいのですが、巡り巡ってフラメンコの世界で有名になり、
今では色々なジャンルで使われるくらいメジャーな楽器となっています。
上記の写真は一般的なカホンの形をしており、右側が正面(打面)で左側が裏面。
この箱の上に座って打面を叩いて演奏します。
この他にもサイズの違うものや形が違うもの、材質、打面の硬さが違うものなど
様々な種類があります。
見た目はただの木の箱ですが、箱の中は空洞になっていますが、
箱の中を覗くと、打面側の裏に鈴と響き線というのが入っていて(ないのもあります)、
その2つが打面を通して、独特の音色を出してくれます。
カホン(Cajon)の演奏方法
カホンはイラストのように箱の上に座って、両手で打面をポコポコと叩くのですが、
打面の真ん中の部分を叩くと低い音が出て、上の部分を叩くと高い音が出るという、
叩く場所によって音色が変わる楽器なので、それらの場所を叩き分けていきながら、
様々なリズムを作っていきます。
カホン(Cajon)の基本的な叩き方
カホンは全て手をパーにして、叩いていくわけではありません。
基本となる4つの叩き方があります。
★ロー(低音/Bass)
打面中央あたりを叩くと、カホンの中で一番低い音が鳴ります。
この部分をBASSといい、ドラムでいうとバスドラムのポジションになります。
手のひら全体で叩くと、「ドゥーン」といったサスティンの多い音となり、
手の形を少し丸めて、指先だけで押さえつけるようにして叩くと、
「ドッ」というサスティンの少ない締まった音になります。
★ハイ(高音/High)
打面の上部付近を親指以外の4本の指全体(手のひらから上)で叩く奏法です。
ドラムセットではスネアドラムのポジションになります。
叩いたときに打面裏の響き線が反応し「ジャッ」といった響きが得られます。
★タッチ(Touch)
指先3~4本を打面の上部に軽く当てて叩きます。その名の通りタッチするくらいの音量です。
ドラムセットでいうハイハットのポジションとなり、BASSとHighの間の音を作って、
リズムのバランスを整えたり、グルーヴ感を作る役割があります。
タッチでは、爪を使うやり方もあります。
爪を使うと、よりハイハット的なニュアンスを出す事ができます。
★スラップ(Slap)
スラップはコンガを演奏する際の奏法を、そのまま応用した叩き方です。
甲高い音が特徴的で、主にアクセントをつけたい時などに使います。
親指以外の4本の指のつけ根を、打面上部の角にあてると、
その反動で指が打面に素早く当たります。上手くいくと甲高い抜けた音が出ます。
コツは力を抜く事です。
叩く人のアイディア一つで様々なスタイルがある
カホンは4つの基本奏法を基に、叩く人のアイディア一つで様々なスタイルがあります。
指先を使って装飾音符を入れたり、ジャズブラシを使って打面をスイープしたり、
打面だけでなく側面を叩いたり、足のかかとを使ったりもして、
よりパーカッシブな表現ができたりします。
また足首に鈴などをつけて、カホンを叩きながら、
足でリズムを刻んだりするというやり方もあります。
最近ではカホンの他に、シンバルやウィンドチャイムなどを
置いている人もたくさん見かけます。
カホンはドラムの代わりに作られた?
カホンの基本奏法を見ていると、カホンはドラムの役割を担っているように感じます。
でも基本は民族楽器ですので、カホンがこの世に生まれた当初は、
きっとそんなことはなかったのではと思います。
長い年月を経て叩き方が変わっていき、いつしかドラムっぽいことが
できる事に気づいたのではないでしょうか。
現代にピッタリな楽器
近年のカホンは、手軽さがウリな楽器でもあり、最近ではストリートでも
小さなカフェでも至る所で、カホンをポコポコと叩いている姿を目にします。
カホンは箱一つでリズムを作り出す事が出来るし、音量もそれほどうるさくないし、
ドラムのように場所も取らないし、持ち運びも大変便利だしと、
確かに画期的で重宝する楽器ではありますね。
カホン(Cajon)のデメリット
とっても便利なカホンですが、一応デメリットっぽいところもあります。
まずやはり手で木を叩くわけですから、慣れるまではそれなりに手が痛いです。
爪を使う奏法もありますが、酷使すれば爪も割れます。
また座って叩くといっても、ある程度、前方へ身体を向けなくてはいけないし、
猫背になったりもしますから、当然、腰痛に繋がります。
更に固い木に座るわけですから、長時間の演奏はお尻にも良くありません。
とこのように、身体的な負担もあります。便利な面の反動ともいえますね。
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